蝶々に助けられた話

 

僕は高校時代、しばらく学校に行けない期間がありました。いわゆる登校拒否児かな。本来ならバイト禁止の学校だったけど、家にずっと居るのもアレなので、特別に許可をもらい、叔父の経営する電気屋でバイトをしてました。これはその時の話。

夏の暑い日。屋根の上でアンテナの取り付けを手伝っていると、どこからか大きなスズメバチがやってきて、僕の周りをいかにも攻撃したげにうろつくんだ。

「怖っ」

両手はアンテナが倒れないように支えてて使えないし、逃げられないし、怖くてたまらない。その時に、どこからかひらひらと白い蝶々が飛んできたかと思うと、いきないりサーっとそのスズメバチに向かって体当たりで突っ込んだ。急旋回して逃げてゆくスズメバチ。

「へー、蝶々の方が強いんだな」

 



 

なんて思いながらも、ちょっと蝶々に助けられた感があって。

しばらくしてアンテナの取り付けも終わり、次の現場へ。

次の現場までどのくらいだったかな。隣町だったから10キロは離れてたように思うけど。そこではクーラーの取り付け。僕は外でクーラーの室外機のトコにいたんだけど、そこにまたスズメバチが。さっきのヤツと同じ大きさで、僕に近づいては離れてを繰り返すもんだから、怖くてたまらない。その時にまたまたさっきと全く同じ白い蝶々(僕はそう感じました)がひらひらやってきて、サーっとスズメバチに体当たり。逃げてくスズメバチ。

「助けられた。。。」

今度はそう思いました。蝶々もスズメバチもさっきのヤツと同じで。同じ日に同じパターンだったから。

この想い出があるので僕は昆虫といえども無下にはしない。特に蝶々は大事にするかな。蜂とかゴキブリとか、嫌なものはやっぱり嫌だけどサ。

亡くなったひとが蝶々の身体をかりて会いにきたりするって言うけど、僕はそれを信じてます。僕も亡くなったら蝶々に宿って家族に会いに行くことがあるかもしれないから、ひらひら蝶々が周りを舞ってるその時は、叩き落とさんといてやー (*´ -`)